私の月のもの、強制終了である。

子宮筋腫回想録

2020年3月のある日、人生最後から2番目の生理来たる。その4日目にふと感じてしまった何とも言えない気持ち。

月経歴約40年。毎月やってきていた文字通りの「月のもの」。約40年弱、月1のルーティーン(決して嬉しくない)をひたすらこなした。それに幕が下りるんです。やったー!とウキウキルンルンすると思ったんです。でも違ったんですよ。

全く予想もしていなかった子宮筋腫がみつかった。その子宮筋腫が

子宮筋腫を見つけた医者
子宮筋腫を見つけた医者

おっきいもーん

と称される筋腫だった事、子宮の内側にも外側にも子宮の筋肉の中にもたくさん出来ていた事、年齢的な事(50代)から考えても子宮を温存する理由がない事から、閉経で筋腫が小さくなるかもしれない可能性に賭けることはせず、子宮もろとも筋腫を取り去ってしまう方法を選択しました。

開腹手術です。

初めての手術。おぎゃあと産声高らかにこの世に生まれ出て50年。その時に授けられた臓器を子宮筋腫と共に摘出します。子宮と卵巣と卵管と、婦人科系すべて巻き込んでの手術。

更年期ど真ん中でも、まだ生理は絶賛開催中の私でした。でも年齢的に閉経目前なので、

執刀医
執刀医

で、卵巣どうする?ついでに取っとく?

の「ハンバーガーとご一緒にポテトもいかがですか?」的な執刀医の提案にのっかり、ホルモン分泌を考慮して卵巣を残すよりも、卵巣がん(ならないかもしれないけど)の心配をしなくてよい未来を選択しました。

子宮と卵巣を摘出したら「いつ終わるか神様の言う通り次第」の生理が、手術終了と共にスパッと終わってしまう事になる。手術は4月で現在3月。私の生理周期だと、手術する前にもう1回生理が来る予定です。(ちゃんと予定通りに来ました)

結果「〇〇才で終わったみたいね」ではなく「2020年〇月〇日が人生最後の生理の日でした」となるわけです。不思議です。13歳で初潮を迎えてから毎月毎月訪れていた生理。

途中、仕事からくるストレスで、サイクルも体調もガタガタになった時期が少しだけありましたが、生理人生の半分以上はストレスフリーで、月のものが来ている最中でも普通に過ごせていました。まあ、たまに朝起きたらお布団についちゃってたこともあったけど(寝相が悪くて)

生理痛で悩まされたりすることがあまりなかったとはいえ、月のものが100%でwelcomeだったわけではない。生理中の時はそれなりに行動が制限されてしまう事があったのも確かだったので、ストレスフリーと言いつつもブルーはブルー。

でも痛みを伴わなかった分だけ、私は大半の女性よりもラッキーだった。月のもので困ったことといえば、記憶にある限り多大なる食欲と眠気だけだったから。

そんな長きに渡り延々と続いた生理が終わるんです。持って生まれた人生のサイクルで終わっていく生理と、子宮と卵巣全摘出で強制終了させてしまう生理。どちらで終了したとしても、私の人生から「生理」というものが消えていく事に変わりありません。

だけど「あなたの生理はあと1回です」「〇月〇日をもってあなたの生理は終了します」と事前告知をされてしまうと、何故だかすこしセンチメンタルになってしまう気持ちが出てしまいました。開腹手術でお腹の真ん中にスパッと傷ができようとも、子宮と卵巣がなくなってしまう事も、そこは特に問題じゃありません。

だけど

「生理が終わってしまう」
「生理がもう来ない」

その言葉がいま頭から離れないでいます。ふとした瞬間に考えてしまう。40代の時いちど「もう生理終わってもいいんですけどー!子供産まないしー!」とあちこちで言っていた私が、生理が終わってしまう事にシュンとしてしまいました。不思議な感情。自分でもわからない。なので、少し立ち止まってここに残しておきます。

(以上、2020年の手術前の私の気持ちでした)

     

追記

そうなんですよ、生理終わるー!ばんざーい!とはならなかったんですよ。手術終わった後は余った生理用品を「イエーイ♪」とバンバン捨てたくせに、手術直前はおセンチになっていた。

生理用品でかぶれて痒かったとか、温泉行くのキャンセルしたりとか、中学生時代恥ずかしい思いをした事とか、なんでかすべてが愛おしくてたまらなかった。

でも「いつになっても月のものが訪れない」という爽快感(解放感かな)が、こんなにも素敵で素晴らしいものなのか!と思えた瞬間に、おセンチ心は消滅しました。

私の生理人生は強制終了。もし子宮筋腫の一件がなければ、まだ続いていたのかな?いやいや、さすがにそれはないかな。

御年55才。いま女性ホルモンとか関係なく、男女平等な老化現象で人生ぶん回されてます。

老いてゆくって過酷・・

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